作品紹介
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ARTIST : Microphone
 


 
 
  FRAGMENT
   
 
 

2006/6/7

   
 
  compactsounds
  CSCA-0016
 
     
Microphone
  80年代生まれ、90年代育ち。
バブルからフラットへ、劇的な価値転換が迫られた時代に育った新しい世代・スーパーフラットな世代が生み出す音と景色。無気力世代から生まれたニュー・ジェネレーション!
マイクロフォン、フロム・ファー・ウエスト・トーキョー

スーパーフラットとはこの数年来、現代美術家の村上隆が積極的に提言している、平板で余白が多く、奥行きに欠け遠近法的な知覚を拒むなど、伝統的な日本画とアニメーションのセル画とに共通して見られる造形上の特徴を抽出した概念である。80年代生まれ、90年代育ち。アナログレコードがコンパクト・ディスクに変わり、極めてカタログ的な録音物が当たり前のように大型レコード店に陳列され、ライヴ映像もVHSやDVDといったアーカイヴものによって簡単に入手出来るあたりまえの世代にとって遠近法的な知覚は既に拒まれている。そして今はインターネットの存在によってさらにその傾向を推し進めている。
  平均年齢23歳のMicrophoneは表現の基礎をまさに90年代に置いた世代の代表である。
そんな彼らが2000年に入りそれそれの学生生活の中で、美大に通う美織(B,Vo)と別の学校に通う桜井(G,Vo)がひょんなことから知り合い、桜井がデモ音源を作り始めることになる。大学の音楽サークル仲間であった栗本らを誘いMicrophoneを結成したのは2004年である。若干のメンバー変更ののち、同年に自主制作で5曲入りミニアルバムと15曲入りのアルバムを発表。翌2005年には現在のメンバーで新たに9曲をデモレコーディングする。
  今回の作品「FRAGMENT」は、バンド結成当時からの自主盤音源を中心とした内容となっている。
  若さ故の無防備な攻撃性を持ちつつも決してポップさを忘れない日本語の歌詞。無気力世代の放つエネルギーは時として非常に濃密でかつクールである。デビューアルバムにして13曲という曲数も、一見濃密に思えるが、あっという間に過ぎる時間の経過と共に彼らのクールなエネルギーを感じ取ってもらいたい。

 
         
       
     
FRAGMENT
  寡黙だが饒舌。ストイックだが挑発的。マイクロフォンの音に出会った時、そんな相反する、あるいはアンヴィヴァレントな様相がいくつも重なり合っていることにかなり戸惑った。戸惑ったというよりも、心地よい眩暈を起こしたと言った方がいいかもしれない。闇雲に情熱的なギターを鳴らしたかと思えば、理性的なリズム・キープをバックにリリカルなメロディを奏でる。そして、素っ気無い風情の眼差しを投げかけてきたり、たっぷりの愛情で手を差し伸べてきたりと、瞬間瞬間に表情を変える歌詞。1曲ごとに、もう、彼らの本能に振り回されっぱなしだ。
楽器店に貼られたメンバー募集の告知を通じて知りあった桜井真二と椰子美織に、桜井のサークル仲間だった栗本と杉浦を加えた4人組、マイクロフォン。曲は主にG,Voの桜井が、歌詞は椰子が主に担当しているが、バンド・アンサンブルは桜井を中心にかなり明確な方向性を目指して練られている、そんな印象を受ける。MTRを有効利用して下地を作って積み上げていくような、いわゆる90年代以降のギター・オリエンテッドなサウンド・プロダクションを継承した作りにはなっているものの、根っこにあるのは素直にいい歌とメロディを奏でていきたいという、それ以上でもそれ以下でもない無邪気で無垢な衝動。そして、誰よりもいい曲を奏でる存在でいたいという欲求だ。
だから、彼らの音楽には、表面をなぞっただけでそれなりに格好のつく“音楽もどき”が誰でも簡単に出来てしまう時代に横行する、妙に聞き分けがいい、判を押したようなバンドにはない特有の匂い、言わばアクの強さがある。メンバーは4人ともが決して多くを語らず、会って話してもやや虚勢を張っているような印象さえ受けるが、そういうところもまたこのバンドの持つ頑固さを物語っているように思えるのだ。そう、頑固。誰の言うことにも決して屈服しない頑固者たちだ。なのに、甘美で汚れのない音の粒子を涼しい顔をして飛ばしてしまう。だから、我々は意図せずして振り回されるのだろう。ポスト・ロック以降の今日的な英米のバンドからの影響も少なからず感じ取れるし、桜井の書くメロディには例えばトム・ヨークやケヴィン・シールズら先人たちへのリスペクトもうっすらと見ることができるが、おそらく彼らは我々のそんな指摘も冷ややかに鼻で笑い、そしてやはり涼しい顔をして、甘美で汚れのない粒子と同じくらいに凛々しい音の塊を叩きつけてくるに違いない。この『FRAGMENT』というアルバムについて、そして、マイクロフォンというバンドについて、G,Voの桜井はこう語っている。
「冷静と情熱との間」。
  〜その狭間で、あなたも溺れてしまうがいい。
 

2006年5月 岡村詩野

 
         
       
     
Microphone
  ◆栗本 悠哉 クリモト ユウヤ (右)
Drums
Birth:3/3
Favorite:THE POSTAL SERVICE,Ben Kweller

◆椰子 美織 ヤシ ミオ (中右)
Bass・Vocal
Birth:12/30
Favorite:many

◆桜井 真二 サクライ シンジ (中左)
Vocal・Guitar
Birth:5/2
Favorite:Folie,PAVEMENT

◆杉浦 将太 スギウラ ショウタ (左)
Guitar
Birth:7/27
Favorite:Ben Folds,dog hair dressers

 

2004.02  ひょんなことから桜井と美織が知り合う。
       桜井がデモ音源を作り始める。
        大学の音楽サークル仲間であった栗本らを誘い4人で活動を始める。
        その後、バンド名をMicrophoneに。
2004.04  サポートメンバーを加え5人でレコーディングを始める。
2004.07  自主制作5曲入り「EP」を発表。
2004.10  自主制作15曲入りフルアルバム「FRAGMENT」を発表。
2004.12  ギターが脱退後、同じ音楽サークルの杉浦がに加入し現在のメンバーとなる。
2005.07  都内スタジオにて新たに9曲をデモレコーディング。
2006.06  現在に至る。

   
 
         
       
     
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